はじめに
どうも、Ig Knowledge(イグナレッジ)のYamashunです。
私Yamashunは、臨床心理士・公認心理師資格の有資格者として日々働いているわけなのですが、、、
『臨床心理学って何?? 臨床心理士は心理学の専門家ではないの?』と聞かれることが多いので、今回は「臨床心理学」について、記事としてみました❗️
今回のテーマは「心理学と臨床心理学」についてです💡
心理学と臨床心理学は違う?
答え:臨床心理学は心理学のひとつの分野です📗
実は「心理学」は「基礎心理学(きそしんりがく)」と「応用心理学(おうようしんりがく)」と大きく2つに分類することができます。
細かいことを説明すると、「臨床心理学」とは、この2つのうち「応用心理学」のなかのひとつです。
つまり、心理学 > 応用心理学 > 臨床心理学 というわけです。
基礎心理学
基礎心理学 = 心の仕組みに関する一般的な法則を理論的に解明する学問
基礎心理学はその名前の通り、誰しもの心に共通する法則を理論的に説明できるように解明していく領域となっています。
観察・実験・調査などの手法を用いて、心に関する一般的な法則を探し求めます。
以下の種類が基礎心理学の代表的なものになります。
- 生理心理学(神経心理学)
- 認知心理学(知覚心理学)
- 発達心理学
- 学習心理学
- 社会心理学
- 人格心理学(パーソナリティ心理学)
- 異常心理学
- 計量心理学
- 比較心理学
応用心理学
応用心理学 = 基礎心理学の知見を実際の問題に応用した心理学
応用心理学は、基礎心理学によって得られた心の一般的な法則(理論)を基にして、実際に起きている個別の問題に対する解決方法や改善策を見出していく領域となっています。
特定の場面での人間の心が重視されている心理学だと考えて差し支えありません。
応用心理学には以下のような種類があります。
- 臨床心理学
- 教育心理学
- 産業心理学
- 犯罪心理学
- スポーツ心理学
- 家族心理学
- 学校心理学
実はカウンセラーと呼ばれるお仕事に関連する多くの資格職が、この応用心理学を学問的な根拠にしています。
基礎心理学と応用心理学は循環している
皆さんのイメージする「心理学」とは、基礎心理学よりも応用心理学に近いかもしれません。
ですが、「心理学」に興味を持って大学に入学した方が最初に出会うのは、ほとんどの場合が「基礎心理学」です。
多くのかたが「思っていたのと違う」となるのですが、応用心理学は基礎心理学に基づいて発展しているため、非常に重要なんですよね。
例えば、Yamashunは実際に「発達心理学」「認知心理学」「生理(神経)心理学」などの基礎心理学で得られた知識を活用しつつ、日々の臨床活動を行っています。
また、応用心理学で得られた知見から、基礎心理学の理論が発展していくこともあります。
このように基礎心理学と応用心理学は循環していくわけです。
臨床心理学・臨床心理士とは何か?
さて、ようやく本題。
ここまで説明してきたように、臨床心理学は特定の場面における人間の心を解明する「応用心理学」のなかの学問領域のひとつです。
臨床心理学
臨床心理学の想定する特定場面とは、心理的な問題(精神疾患から健康まで幅広く)や不適応行動です。
臨床心理学とは、心理的な問題や不適応行動の解決・改善・予防を支援する【実践活動】と、その【実践活動の有効性】を解明する学問領域となります。
大切なのは、臨床心理学は心理的な問題を抱えて困っている方のみでなく、いわゆる健康な方々もその興味・関心の対象に据えているという部分です。
また、理論のみでなく、実践活動に関する技術も含まれていることも大きなといえますね。
臨床心理士
臨床心理士 = 臨床心理学を専門として人の心を解明しようとする専門家
もう少し正確に述べると、
「臨床心理士」とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”です。 出典:臨床心理士とは|公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
となります。
具体的には、
日本臨床心理士資格認定協会の認定をうけている心理専門職 出典:臨床心理士について|一般財団法人 日本臨床心理士会
と資格を取得していることも必須条件となりますね。
以上をまとめると、臨床心理士は、臨床心理学(心理的な問題や不適応行動の解決・改善・予防を支援する【実践活動】と、その【実践活動の有効性】を解明する学問)の一定水準の知識を有していると認められ、それに基づいて心の問題にアプローチしていく職種といえます。
この実践活動がさまざまな流派にわかれているため、一言に臨床心理学を修めているといっても専門性は個人によって異なってくるというわけです。
臨床心理士とはいったい何者なのか?
これまで臨床心理学や臨床心理士について説明してきましたが、応用心理学のひとつである臨床心理学を修めるためには、基礎心理学(一般的な心理学)全般の知識が必要となります。
加えて、資格取得後に実際に働く現場によってさまざまな応用心理学の知識も必要となります。
以上を踏まえて「臨床心理士とはいったい何者なのか?」という問いかけに回答するのであれば、
臨床心理士 = 臨床心理学が専門であり、加えて、基礎心理学や応用心理学など広く心理学の知識・技術を有しているが、基礎心理学やその他の応用心理学個人の裁量によって異なる専門家
ともいえますね。
そして、臨床心理士という資格を通して、臨床心理学の専門性を担保するために、職業的な倫理規範に身を置いています。
決して、人の心を読める人ではありません❗️ので悪しからず
最後に
心理学に関連する資格は多種多様であり、「〇〇カウンセラー」という名称も乱立しています。
臨床心理士であったとしても、資格が認定される水準の【基礎・応用心理学の知識】や【臨床心理学の知識・技術】を身につけてはいますが、細かい部分では個々人によってばらつきがあります。
資格名のみに左右されずに、個々人の経歴や専門性に注目してみると、良き出会いとなるかもしれませんね。